惣百姓と近世村落 −房総地域史研究−
近世史研究叢書S

渡辺 尚志 著
(一橋大学教授/1957年生まれ)

2007年5月刊
A5判・316頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-469-3 C3321 \6900E
6900 (税別)
 近世における村のすがたを、「惣百姓」をキーワードにして明らかにする。
 第1編では、本小轡村(千葉県茂原市)と藤乗家に関する研究である。本小轡村は、寛文元年(1661)以降幕末まで、旗本渡辺氏領で、藤乗家はそこの名主(庄屋)を世襲した家である。藤乗家には大量の文書が残されているが、そこから見える「惣百姓」は、庄屋を含まず、庄屋との間に一定の対抗関係をはらむという点で、近畿地方の村落とは異なっている。
 第2編は、房総の村々の個別分析である。第5章は耕地荒廃・人口減少に直面する村を、第6章は年貢収納過程において作成される文書の流れを、第7章は相給知行が豪農経営の展開に与えた影響を、第8章は本百姓が一人しかいない独特のあり方を、それぞれ考察。

【主要目次】

序 章
第1編 上総国長柄郡本小轡村と藤乗家
第1章 明暦〜延宝期における「惣百姓」
補論1 天和〜元禄期における「惣百姓」
第2章 庄屋と身分的周縁
第3章 十七世紀後半における上層百姓の軌跡
第4章 藤乗家の文書整理・目録作成と村落社会
補論2 藤乗家の文書目録
補論3 長柄郡北塚村の村方騒動
第2編 房総の村々の具体像
第5章 十八世紀前半の上総の村
−上総国山辺郡堀之内村を事例として−
第6章 近世後期の年貢関係史料
−下総国相馬郡川原代村を事例として−
第7章 相給知行と豪農経営
−上総国山辺郡台方村を事例として−
補論4 細草村新田名主役一件と高橋家
第8章 壱人百姓の村
−上総国長柄郡小萱場村を事例として−


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