徳川権力の形成と発展

平野 明夫 著
(千葉県文書館嘱託・國學院大學兼任講師/1961年生まれ)

2006年12月刊
A5判・472頁・上製本・函入
ISBN4-87294-454-2
9500円 (税別)
「本書は、戦国・織豊期における権力の様相を、松平・徳川氏を素材として明らかにしようとするものである。松平・徳川氏は、村の有力者・有徳人から領主化 し、戦国期に大名へと成長する。そして、織田大名・豊臣大名期を経て、統一権力へと転換する。こうした転化を遂げた、唯一の権力である。そうした特殊性は あるものの、統一権力へ転換するまでの徳川氏は、決して時代から遊離した存在ではない。当該期の権力を明らかにするための素材として充分であり、普遍化で きる素材である。さらには、統一権力となったことによって、大名期の権力との差違が明らかとなり、大名権力・統一権力の本質を明確にできるであろう。」 (本書「序論」より)
【収録内容】 
序 論 松平・徳川氏研究の軌跡と本書の構成
第1章 戦国期の松平・徳川氏
第1節 松平宗家と今川氏(軍事行動/儀礼関係/直轄領・家中衆と今川氏/権力機構)
第2節 徳川氏と足利将軍(徳川氏と13代将軍足利義輝/徳川氏と15代将軍足利義昭)
第3節 三河統一期の支配体制(酒井忠次の地位と権限/石川家成・同数正の地位と権限)
第4節 徳川氏の起請文(様式/勧請神仏/発給の状況/内容/関連文書)
第2章 織豊大名徳川氏
第1節 徳川氏と織田氏(同盟の成立/書札礼/軍事援助/信康・築山殿事件)
第2節 豊臣政権下の徳川氏(臣従過程/位官/書札礼/供奉/役負担/検地/政策関与)
第3節 徳川氏の年中行事(開催行事/行事の意義)
第4節 松平庶家とその家中(深溝松平家の年中行事と家中/大給松平真乗と家中)
第3章 統一権力徳川氏
第1節 江戸幕府の謡初(期日・時刻・場所/式次第/列席者/役職者/変容)
第2節 徳川将軍家代替わりの起請文(始期と終焉/提出者/時期/手順/作法/様式)
結 論 中近世移行期の権力


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