近代史研究叢書2
戦時下の社会
―大阪の一隅から―

横山 篤夫著
(大阪府立岸和田高等学校教諭/1941年生まれ)


2001年04月刊 A5判・364頁・上製本・函入
ISBN4-87294-197-7
7900円

「…1931年からの15年戦争期には、従来の社会・経済の枠組みから次第に戦時体制に再編され、大阪市とその周縁とは新たなより緊密な関係に入っていった。
この戦時下の社会の解明を、主として泉南地方という大阪周縁の側から接近しようと試み、これまでまとめてきたものを中心にその諸相を提示したものが本書である。この論考の多くは、次の世代に戦時下の歴史の実像を伝えたいという筆者の意図を了解して協力してくださった、戦時下の体験を持つ世代の人々からの聞き取りに依拠している。」(本書「はしがき」より)
【主要目次】
第1章 大阪南部の空襲
第1節 泉南地方の空襲
第2節 十五年戦争と岸和田の地車(だんじり)祭
第3節 被差別部落と空襲―貝塚空襲の事例分析から―
第2章 大阪泉南地方の戦時動員と教育
第1節 僅かの教育で死闘の海に送り出された青少年たち
―高等海員養成所と普通海員養成所―
第2節 明野陸軍飛行学校佐野分教所と陸軍佐野飛行場
―半世紀前にも佐野にあった飛行場―
第3節 旧制岸和田中学校の勤労動員の犠牲者
第3章 今も多くの若者の眠る旧真田山陸軍墓地
第1節 真田山陸軍墓地の成立と女学生
第2節 旧真田山陸軍墓地に建立された野田村遺族会の墓碑
第4章 在阪朝鮮人と強制連行
第1節 1945年以前の泉南地方の在日朝鮮人の定住と労働
第2節 戦前の在阪朝鮮人の住宅問題と財団法人大阪啓明会

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