「阪神淡路大震災後の被災歴史資料保存から生まれた歴史資料ネットワークにとって、2004年の風水害への対応は、新たな画期となる出来事でした。…大規模な風水害の場合、汚水で水損した紙史料は、高温の中ですぐにカビが繁殖し、腐敗が始まります。家屋も浸水のみの場合は、次の日から片付けが始まり、保全不可能と判断された紙史料はそのまま廃棄されてしまう可能性が高くなります。このような地震と異なる大規模水害へいかに対応するのか。…私たちは地震とは異なる水害被災地での活動に取り組み、様々な問題にぶつかってきました。被災地での組織結成の支援など、地震の経験を活かし、更に発展させることができた部分とともに、これまで経験のない、水損時の史料保全の方法を現場で開拓していくことになりました。」 (本書「まえがき」より)
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【主要目次】 |
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歴史資料ネットワークによる新たな災害対応
―水損史料保全活動の取組― |
松下・河野 |
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第T部 風水害で被災した歴史資料の救出活動をめぐって
―活動とその後の展開― |
第1章 |
兵庫県内 2004年台風23号被災
歴史資料保全および修復活動 |
河野 未央 |
第2章 |
京都府内 2004年台風23号被災
歴史資料保全活動 |
松下 正和
木村 修二 |
第3章 |
水損史料修復ワークショップ |
河野 未央
松下 正和 |
第4章 |
史料ネットにおける「ボランティア」再考 |
加藤 宏文 |
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第U部 シンポジウム記録「風水害から歴史資料を守る」 |
福井史料ネットワークの活動 |
多仁 照廣 |
台風23号による被災資料調査・レスキュー活動 |
木村 修二 |
台風23号による水損資料の修復 |
河野 未央 |
コメント |
前田 喜一
小寺 誠
加藤 晃
吉岡 博之 |
討 論 |
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水損史料保全活動をめぐる現状と課題 |
松下 正和 |
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参考資料
(被災自治体文化財担当部局へのFAX/ボランティアセンター宛FAX/被災史料調査活動用マニュアル/被災地での配布チラシひな形/史料レスキュー時にとりかわす史料借用文書/県への水損史料乾燥機関斡旋依頼状/水損史料乾燥作業マニュアル) |
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参考文献一覧/活動日誌 |
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