在来技術改良の支えた近代化
−富岡製糸場のパラドックスを超えて−
近代史研究叢書J

松浦 利隆 著
(群馬県世界遺産推進室長/1957年生まれ)

2006年1月刊
A5判・324頁・上製本・函入
ISBN4-87294-420-8
6900円 (税別)
<富岡製糸場のパラドックス>―それは、明治5年、政府が製糸業近代化のために巨大な官営模範工場を設置した土地に近代技術の器械製糸が根付かず、かえって在来技術の座繰製糸を近代化した組合製糸が発達してしまった、という歴史的な逆説である。
本書は、幕末期から明治前中期までの群馬県地域を中心に、日本の近代化を担った養蚕・製糸・織物業において、在来的な生産を支えた各種の技術がどのように発生し、どのように改良されたかを明らかにし、その意味を問う。

著者の博士論文「近代における在来技術改良の研究−群馬県の養蚕・製糸・織物業を例にして−」を、日本学術振興会の研究成果公開促進費を得て刊行。
【収録内容】 
序 章

第1部 養蚕業
第1章 近代化の中の在来農業技術−船津伝次平「桑苗簾伏法」に関する一考察−
第2章 「近代養蚕農家」の発生
第3章 創成期の養蚕改良結社「高山社」−清温育の成立を中心として−

第2部 製糸業
第1章 上州座繰器の発生
第2章 上州座繰器の改良
第3章 二つの製糸工場−富岡製糸場と碓氷社−

第3部 織物業
第1章 開港をめぐる桐生新町の動静
第2章 明治前期の桐生織物「近代化」

終 章

ご注文へ TOPEへ