中世日本の開発と百姓

鈴木 哲雄 著

(県立千葉高校教諭/1956年生まれ)


2001年5月刊
A5判・420頁・上製本・函入り
ISBN4-87294-203-5
8900円

「本書のキーワードはなにか。それは「請作」あるいは「請負」である。中世の「開発」、中世百姓の「去留の自由」、下人・所従の売買や集積、本書が論点としたもののほとんどは「請負」関係によって説明されるものと考える。…私は、請負関係こそが中世日本の開発と百姓に関する議論や、さらに中世社会の性格についての議論をとくカギのひとつなのだと考えている。つまり、中世社会の特質である重層的な請負関係を根底でささえていたものは、領主―百姓間の請作関係であった、というのが本書での結論である。」 (本書「終章」より)
【収録論文】
序章 中世開発論―「大開墾時代」説・再考―
T 中世の開発
第1章 越後国石井庄における開発と浪人
第2章 武蔵国熊谷郷における領主と農民
第3章 中世東国の開発と検注
補論1 中世的開発の地平―木村茂光=畠作論によせて―
U 中世の百姓
第4章 「去留の自由」と中世百姓
補論2 式目42条と「去留の自由」をめぐって
第5章 中世百姓と土地所有
第6章 土田と作毛―農民的土地所有・再考―
補論3 戸田芳実著『初期中世社会史の研究』をよむ
V 東国の社会
第7章 常総地域の「ほまち」史料について
補論4 高島緑雄著『関東中世水田の研究』によせて
第8章 東国社会の下人と所従―「奴隷包摂社会論」の視点から―
終章
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