No.862(2014.05)

【コピーフリー宣言(3)】

 突然(3)かよ、とは言わないで欲しい。11年前の「裏だよりNo.279280」で書いているのだが、ほったらかしていた。今回、編者から要請もあって、『論集戦国大名と国衆1314』に、各執筆者から了解をとって、奥付に「自由利用マーク」を付けた。
 「自由利用マーク」http://www.bunka.go.jp/jiyuriyo/とは、「著作物を創った人(著作者)が,自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考える場合に,その意思を表示するためのマークです。」
 図書館などで本(または論文)をコピーしようとして、枚数制限などで全部コピーできず、再度足を運ばなければならないことがある。これは著作権保護の立場からそのように制限しているためだが、利用者にとっては不便このうえない。ことに、論文集などに収録されている論文は、論文全部をコピーしようとすると、全作品コピーとなってしまって、著作権者の了解をもらってこい、と言われる。そりゃ無理だわな。
 しかしコピーが野放し状態になるとどうなるか。研究論文などの場合、著者(執筆者)に印税が入る可能性はほとんどないが、雑誌の発行団体にとっては、雑誌が売れなくなって会財政が悪化し、研究者の発表の場が狭められることになる。研究書の場合も本が売れなくなると、出版社の経営が悪化して本の定価が高くなり、ますます本が売れなくなり、著者が資金負担でもしないと著書が出せなくなる(なっている)。
 このように研究発表の環境が悪くなると、学問の衰退に繋がるのだが、逆に、コピーが自由にとれないと、研究を阻害することにもなる。
 だから、前にも書いたが、買える人(機関)が買って買い支えて、買えない人はコピーしていい。でも就職して買えるようになったら、買ってね。という考えに立たないと、この商売、やっていけない。だから、こういう考えの出版社の本は、買わないといけないのですよ。判る?。と言いながら、他の本にこのマークを付けてないな…。これからやります。