No.856(2014.05)

【印刷データ納品は恐い】

 今回出した『歴史・民俗にみる環境と暮らし』は、組版を編集プロダクションに依頼して、そこで作ったデータを印刷所に渡して、印刷・製本、という方法をとった。
 本文を責了にしたあと直しがなければ、編プロの製作したPDFデータを使えばいいので、なんら問題は起きないのだが、最後になって、いくつか間違いを見つけたので、PDFデータを使わずに、元データを使って、印刷所で修正してもらった(PDFデータは画像になってるので、訂正できない)。
 その時に問題発生。歴史史料の引用文に、「」(「よ」「り」の合字)が入っていたのだが、それが 「  」に置き換わってしまった。ちょっと見ると「・」(中黒)と区別がつかないので気がつかず、そのまま印刷・製本。出来たあとも気がつかない。
 なぜこうなったか。この「」は、本文で使用しているフォントには無い文字なので別のフォントを使った。このフォントも標準装備されているので、特に問題が起きないはずだった。でも、起きた。
 これって誰の責任?。組版・印刷が同じところなら、まずこういうことは起きない。起きたとしても印刷所の責任で全部作り直し、ということも出来る(かわいそうだが)。データを作ったほうは、ちゃんと作ってる、というし、データを受け取ったほうは、これじゃ、こうなっても判らない、というし、結局、私が悪いのね、ということになる。でも作り直すとなると、その分、まるまる赤字になってしまうので、そうもいかず、結局、正誤表(というか、お詫び状)を入れることで了解してもらった。