No.48 1996年2月
【税金を100万円も支払った】
 昨年度(1995.1-12)の岩田書院の決算(試算だが)で、なんと大幅黒字がでた。こまったことである。なぜこまるか。お金がないのに税金を払わなければならない。お金がないのにどうして黒字なのか。それは、利益分をそのまま本の製作費につぎこんでいるからであって、現金でもっているか本でもっているかの違いだ、ということになるからだそうだ。それが売れていれば利益がでていて当然なのだが、まだ売れていない。したがって実質的には赤字である。それなのに税金を払わなければならないという。その税金が100万円ということである。なんたるコッタ、なんたるコッカ(国家)、などとシャレテいる場合ではない。
 それにしても、ひどい話しである。この“裏だよりNo.22”で2年目の収支決算を報告しているが、その時はこんな事態を予測できていない。「在庫に税金がかかるというわけでもない」と、のんきなことをいっていたが、やはり在庫に税金はかかる。
 1年間いっしょうけんめい働いて、ひたすら本を作って、あまり儲からなかったけど、まあ仕方がないか、と思っていたが、とんでもない。この1年間一体なんのために苦労してきたんだ。悲しくなってくる。私のまわりの同業者にこの話しをすると、一様に、もうちょっとなんとかならなかったの、という。私もそう思う。
 さらにタイミングも悪い。1月16日に入金があったので、17日に支払いを済ませたばかりの時である。税金の納付期限まであと2日。仕方がないので、なけなしの定期預金を解約して100万円を支払った。あ〜ぁ、お金がなくなっちゃった。でも本がある、これを売ってとりもどせばいいじゃないか、と思えばいいのだが、まだ元気がでてこない。そうだよな、100万円だもんな、そう簡単に元気なんかでてこないよな…。
 今回の“裏だより”は、思いっきり<グチ>でした。御勘弁のほどを。
     
  この号は、税金を払い込んだばかりの興奮状態(?)で作ったので、あとで読み返すと、ちょっと書きすぎだったかな、とも思います。現に批判的なハガキもきていますし。でも一度書いてしまったから、今回削除せずに掲載しました。そのごのことは、No51に書きました。

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