No.22 1995年4月
【2年目の収支決算】
 小社の決算期は1月〜12月です。税務署に提出する決算報告は、在庫の評価の仕方などにより、実際の収支決算とは違っていますので、ここでは単純に、いくら収入があって、いくら支払ったかということを御報告します。昨年(1994)1年間で、
  総入金額(2566万3804円)−総支払額(2643万5992円)=(−)77万2188円
となりました。これには、私の給料(我が家の生活費)が入っていません。いくらなんでもこれでは生活していけないので、200万円の借入れをしています。なお入金額のなかには、昨年度の文部省の出版助成金140万円が入っています。これがなかったらもっと悲惨な結果に終わったことでしょう。でも昨年4月以降、借入れなしでなんとか1年間もちこたえたので、創立2年目としては、まずまずなのかも知れません。
 決算としては、この他に、売り掛け金、買い掛け金、給与、などを計算します。さらに在庫が資産とみなされますので、お金がないのに黒字になってしまい、税金を払わなければならない、ということにもなりかねません。
 ただし、ほとんど売れない在庫については、資産評価がさがりますので、その点では、税制的に優遇措置がとられています。したがって、単純に「在庫にも税金がかかるのはけしからん」というのは、間違っていることになります。現に岩田書院は2期連続赤字で、法人税を納めていません。
 ちなみに昨年12月末現在の総在庫冊数は、書籍19点+雑誌4点で6200冊、定価総額5317万2169円。在庫が定価で全部売れたとすると、なんと5300万円になります。でも売れないことには、なんにもなりません。
 そこで、少しでも多く売りたいと思って宣伝しても、その効果はあまりありません(裏だよりNo.15参照)。でも、せっかくお金をかけて本を作ったんだから売らなくてはと思って、昨年は宣伝費を488万円もかけてしまった。これは総売上の17%になります。ちょっとやりすぎたかな、という気がします。それだけの金があれば、もっと他のことに使えばよかったのかも知れません。酒を飲むとか…。
     
  3年目の収支決算をまだ報告していません。実はこの裏だよりNo22を読んだ読者から、「「裏だより」毎回楽しみにしておりますが、いささか露悪趣味的か?。ご懸念申し上げます」という忠告をいただいているので、少々躊躇しているところです。
     
  *3年目の収支決算はNo60に書きました。

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