風流踊とその展開
植木行宣 芸能文化史論集B

植木 行宣 著
(元 京都学園大学教授/1932年生まれ)

2010年4月刊
A5判・488頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-613-0 C3373
12800円
評者:鈴木正崇(『日本民俗学』288  pp112-117  2016.11)
本書には、拍子物から風流踊への流れを語る論考をまとめた。
風流という芸能はもっとも広くかつ濃厚な分布を示す代表的な民俗芸能で、それは風流が町や郷村すなわち地域社会の成立発展とともに、その願いや希望をになう芸能文化として主体的に受容され位置づけられてきたことによるといえるが、風流はそこで二つの流れに分化した。一つは都市的環境を背景とする山鉾の祭り、いま一つは村落的環境を背景とする風流踊への展開であり、本書は、その後者にかかわる論考である。
【主要目次】

第T章 風流という芸能

第U章 拍子物とその伝承
 第1節 踊子・ケンケト・サンヤレ
 第2節 丹後の踊子
 第3節 小津神社祭のサンヤレ
 第4節 山之上のケンケト
 第5節 志摩・伊勢地方の大念仏
 第6節 立神の地ばやしとささら踊
 第7節 囃田と大山供養田植

第V章 風流踊の展開
 第1節 山城の風流踊
 第2節 丹波の風流踊
 第3節 丹後の笹ばやし―分布と特色
 第4節 丹後の花踊―分布と特色
 第5節 近江の太鼓踊
 第6節 伊勢・志摩のカンコ踊
 第7節 長刀振の分布と特色

第W章 風流の作り物とはやし
 第1節 灯籠と花蓋の歴史と民俗
 第2節 陽夫多神社祇園祭の願之山行事
 第3節 山・鉾・屋台の祭りとハヤシの展開
 第4節 山鉾を囃す稚児舞

芸能文化史論集 全3巻:完結
@中世芸能の形成過程 11800円(税別)
A舞台芸能の伝流 11800円(税別)

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