富士塚考
江戸高田富士築造の謎を解く

竹谷 靱負 著
(拓殖大学名誉教授/1941年生まれ)


2009年9月刊
A5判・230頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-573-7 C3039
3000円
「現存する富士塚の大多数は、富士講徒によって築造された塚である。つまり、富士講徒による富士塚の劈頭を飾る安永8年築造の高田富士以降の塚がほとんどである。富士講研究者は、日行青山(高田藤四郎)発案の富士山の正写しの富士塚をいわゆる「富士塚」と定義し、それ以前の富士塚を「富士塚」の定義から除外してきた。安永8年以降の富士塚の歴史を「富士塚史」と称するとすると、安永8年以前の富士塚の歴史は「富士塚前史」と言えよう。従来から数多く研究されてきた富士塚史に対して、富士塚前史は十分に考証されていない。  そこで本書では、富士講によって築造された富士塚以前の富士塚について考察した。また、富士塚史の劈頭を飾る高田富士を築造した日行青山に焦点を当て、富士講の歴史における東身禄山(高田富士)の意義を吟味した。  身禄の「お先状」を精査した結果、身禄の「いせ川上しミツ村へは西身禄山、江戸表は東身禄山と名付可申との御伝ゑ」に求めた日行青山の心願を闡明した。」    (本書「あとがき」より)

【主要目次】

第1章 富士塚前史―富士浅間勧請
第2章 富士塚の淵源と系譜
第3章 村山修験の江戸の武家檀所と富士塚
第4章 江戸大名屋敷と富士塚(1) 加賀藩前田家江戸屋敷と本郷富士
第5章 江戸大名屋敷と富士塚(2) 紀州藩徳川家江戸屋敷と千駄ヶ谷富士
第6章 江戸大名屋敷と富士塚(3) 本荘藩六郷家江戸屋敷と浅草富士
第7章 富士塚前史を飾る代表的な現存富士塚
  志木市田子山/甲府市小瀬/川越市仙波/八王子市富士森/富士市鈴川
第8章 八王子市散田の富士塚―吉田御師衆の移住伝承
第9章 富士講大先達藤四郎と高田富士
第10章 藤四郎の高田富士築造の心願―東身禄山


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