近世公文書論
公文書システムの形成と発展

大石 学 編
(東京学芸大学教授/1953年生まれ)

2008年10月刊
A5判・834頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-530-0 C3021
19000円 (税別)
 前書『近世国家の権力構造』(岩田書院、2003)の成果をもとに、本書では、空間軸と時間軸の視覚から、近世の公文書システムが、国家・社会を列島規模で集中・統合し、社会の均質化・同質化を進める過程を明らかにすることを目指している。この作業を通じて、日本近世を国民国家形成過程として捉える視覚・方法を提示するとともに、これら公文書システムを支える近世の公共性や、公共圏の成立・発展の実態に迫る視覚・方法も提示する。
【主要目次】
第1章 幕府代官所における公文書行政の成立とその継続的経営 三野 行徳
第2章 江戸廻り地域の成立と公文書行政−屋敷改の成立と作成帳面 山端  穂
第3章 大名改易における藩領処理−城引き渡し時の文書作成 佐藤 宏之
第4章 近世百姓印と村の公文書 千葉真由美
第5章 大岡忠相とアーカイブズ政策 大石  学
第6章 加賀藩の朝鮮人御用と公文書−越中国砺波郡十村家川合文書「朝鮮人御用馬留帳」の分析から−
横山 恭子
第7章 用水組合運営と公文書−吉野川第拾関分水の用水組合「井組」を事例に−
山口真実子
第8章 甲府町年寄の由緒と将軍年始参上 望月 良親
第9章 御三卿一橋徳川家の関東領知役所における「伺書」−現用文書と非現用文書−
竹村  誠
第10章 武蔵国一宮氷川神社の代替御礼例書に関する一考察 古谷 香絵
第11章 近世における太政官印再興の歴史的意義 野村  玄
第12章 茶壺道中と数寄屋坊主−「菟道青表紙図彙」の作成を事例に− 大嶋 陽一
第13章 旗本家の知行所支配行政の実現と「在役」−1500石牧野家を事例に− 野本 禎司
第14章 村落・地域社会の知的力量と「村の編纂物」−村役人層の主体形成と村方文書共有ネットワーク− 工藤 航平
終章 方法としての近世公文書論 三野・佐藤・野本・竹村・工藤

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