牛方・ボッカと海産物移入

胡桃沢 勘司 編著
(近畿大学教授/1951年生まれ)

2008年4月刊
A5判・332頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-493-8 C3021 \7900E
7900 (税別)
近世から近代にかけて、北陸から信濃へ海産物(ブリ・塩など)を運び込んだ交易路には、越後経由と飛騨経由の二つのルートがあり、主として、牛方による牛背輸送と、ボッカによる人担輸送とに、たよっていた。
第1編「越後経由の移入路」では、糸魚川〜大町〜松本のうち、大町以北を対象とし、牛も通行不能な冬期の豪雪地帯の輸送を担ったボッカに重点をおいて調査した成果である。
第2編「飛騨経由の移入路」では、野麦街道に力点をおき、昭和初期まで行われた牛方の経験者からの聞き書きなどをもとに、「飛騨ブリ(鰤)」の輸送について考察した。
特論でとりあげた「年取魚」は、大晦日に魚を食べたり供えたりする習俗で、ブリ荷の発生や塩ブリの製法、その儀礼と形態について検討を加える。
なお、第1編1章は大久根茂・渡辺定夫との共著、同2章3節は大久根との共著である。

【主要目次】 

第1編 越後経由の移入路
第1章 千国(ちくに)街道の様相
先学の業績/信越間の輸送物資/経路/輸送制度/輸送形態と輸送技術/ボッカの生活/ボッカの消滅過程
第2章 輸送機関をめぐる問題
ボッカの位置づけ/人担輸送機関の性格把握/牛方の塩輸送
第2編 飛騨経由の移入路
第1章 野麦街道の様相
「飛騨ブリ」の道として/牛方の活動/ボッカの活動
第2章 越中・南信濃との接続
飛越国境地帯/南信濃を目指す道
特 論 年取魚としてのブリ
ブリ荷の発生/塩ブリの製法/儀礼と形態


ご注文へ