戦国史研究叢書C
戦国大名北条氏文書の研究

山口 博 著
(小田原市教育委員会学芸員/1959年生まれ)


2007年10月刊
A5判・322頁・上製本・函入
ISBN4-87294-453-2 C3321 \6900E
6900円


 北条五代(北条早雲−氏綱−氏康−氏政−氏直)のうち、主として氏康・氏政・氏直の、印判の使用と花押の変遷を、詳細に検討。相田二郎氏「北条氏の印判に関する研究」(1935) 以降70年を経て、現在の研究水準にひきあげる。
「T 印判使用をめぐる問題」では、従来、十分な機能的・制度的な分析がなされず、実態が不明瞭なままになっていた隠居後の氏康・氏政の政務への関与につき、印判使用という側面から具体的な把握を試みた。併せて、氏康と密着した関係にあったとされる幻庵宗哲の政治動向を、「靜意」印判使用の面から検証する。
「U 花押変遷と改判」では、氏康(21種109点)・氏政(2種16点)・氏直(7種55点)三代の花押図版(30種180点)を掲げ、その形態変遷、或いは改判の動機・経緯につき検討を加えた。
付編として、個別の文書または文書群に分析を加えた論考を収めた。

【主要目次】

序 章
T 印判使用をめぐる問題
第1章 氏康による「武榮」印判の使用
第2章 氏政による「有效」印判の使用
第3章 氏康・氏政と虎印判状奉者
第4章 幻庵宗哲所用「靜意」印判に関する考察
 補論 所領分布から見た幻庵宗哲の政治的地位
U 花押変遷と改判
第1章 氏康花押の変遷
第2章 氏直花押の変遷と改判
第3章 氏政の改判
付 「合討」の感状
  「諸州古文書」および「諸家古文書写」中の氏忠印判状写
  伊豆荻野文書中の吉良氏朝書状


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