幕府権力と城郭統制
―修築・監察の実態―
近世史研究叢書O

白峰 旬 著
(別府大学助教授/1960年生まれ)

2006年10月刊
A5判・382頁・上製本・函入
ISBN4-87294-447-x
7900円 (税別) 品切れ


『日本近世城郭史の研究』『豊臣の城・徳川の城』(いずれも校倉書房刊)に続く第3論集。
「本書では、幕府による城郭統制下(武家諸法度下)における城郭の存在形態について、大名居城の修補・修築という観点(第1部)と、幕府権力の大名居城への介入(監察)という観点(第2部)から考察した。…
 これまで、城郭研究は軍事的ファクターに主軸を置いて分析されてきたため、武家諸法度下における城郭に関する研究状況は低調であった。しかし、本来、当該期における城郭の実態分析については、軍事的想定の有無だけをメルクマールにできないのは当然であって、本書で扱ったような城郭修補(修築)に関する幕藩交渉のプロセスや幕府権力の介入の具体像を明らかにすることが、有効なメソッドになるのである。」  (本書「序」より)

【収録内容】 
第1部 武家諸法度下における城郭の修補と修築
第1章 大名居城の修築と修補申請基準・増改築許可基準
第2章 城郭修補申請方式の変遷
  普請と作事の具体的事例を検討し、その変遷を考察。
第3章 豊後国佐伯城の大修築(宝永6年〜享保13年)

第2部 城郭監察と幕府権力の介入
第4章 公儀隠密による北部九州の城郭調査(寛永4年)
第5章 公儀隠密による四国七城の城郭調査(寛永4年)
第6章 美作国津山城受け取り(元禄10年)
  津山藩主・森 長成の改易に際し、幕府から派遣された田村建顕の動向。
第7章 石見国浜田城引き渡し(天保7年)
第8章 陸奥国棚倉城受け取り(天保7年)
  三方領地替にともなう、浜田城・棚倉城の引き渡しと受け取りの実態。

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