野兎の民俗誌

天野 武(帝京大学教授)

2000年7月刊
A5判・364頁・上製本・函入
ISBN4-87294-173-X
9900円
「本書は、岐阜県飛騨地方における野兎に関わる民俗を記録集成するとともに、その周辺地域に伝えられてきた同じ趣旨の民俗を添えて、まとめたものである。
 個々の調査地(伝承地)の資料を可能な限り分断せずに一体としてまとめたこと、飛騨地方の資料を主眼にしてあまり範囲を広げずに完結した内容を提示したかったこと、および拙著『野兎狩り』にあやかりつつそれと一線を画したかったこと、などを念頭において、書名を『野兎の民俗誌』とすることに落ち着いた。
 野兎狩り、わけてもその威嚇猟法の解明に主眼が注がれたとはいえ、野兎に対する観察結果、野兎除け、野兎関係の地名、野兎に関わる俗信・喩え、および獲った野兎の利用の仕方など、人々と野兎とがさまざまな面で共に織りなしきてた民俗を取り扱っているのである。」 (本書「序章」より)
【主要目次】
序章
第1章 飛騨地方における野兎の民俗誌 
飛騨山地/飛騨高原/両白山地/阿多野郷・益田地方
吉城郡神岡町・上宝村・宮川村・河合村・古川町、大野郡丹生川村・清見村・白川村・荘川村・朝日村・益田郡萩原町・下呂町など、計32地区
第2章 飛騨周辺地域における野兎の民俗誌
美濃地方/越中地方/加賀地方/越前地方
岐阜県郡上郡・揖斐郡、富山県婦負郡・中新川郡・東礪波郡、石川県金沢市・石川郡、 福井県勝山市・今立郡・大野市・大野郡など、計21地区
第3章 民俗誌資料に対する若干の考察
野兎の異名/野兎の特殊名/野兎に関わる地名/野兎狩り/猟果の利用/野兎除け/俗信その他 
事項索引・地名索引
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