藩世界の意識と関係

岡山藩研究会編 (代表:深谷克己)

2000年5月末刊
A5判・378頁・上製本・函入
ISBN4-87294-171-3
7900円
「藩世界」とは、その内部に存する、政治主体・機構としての藩権力や、家中や百姓、町人、職人、僧侶等々、様々な諸集団が織りなす世界、そしてそれらが外部の諸集団と織りなす世界をトータルに把握する概念である。これら諸集団相互に形成される関係は新たな意識を生み出し、その意識は更なる関係を作り出していく。このような視角から、新たな近世史認識を切り拓く。
本論集の特質:@一藩完結型でない。A岡山藩を素材としつつも、他藩との比較を強く意識する。B中世〜近世移行期の研究成果を重視する。C藩庁史料と地方史料を併用する。D各自の問題関心を尊重し分担制をとらない。E共同討議を重視する。
──藩政史研究の最新の動向をふまえ、8年間の共同研究の成果を問う。
【収録論文】
総論 藩世界の意識と関係
T 村社会
近世村落成立期の農業と藩農政‥‥ 磯田 道史
−山野政策をめぐって
17世紀の村社会と内済の成立過程‥‥齋藤 悦正
−村の自律と公儀支配
U 大名権力と家中・領国支配
「境目」の領主と「公儀」‥‥久保健一郎
近世における教諭支配‥‥深谷 克己
大名の官位と「家政」「国政」‥‥ 堀 新
−武家官位の在地効果説をめぐって
無礼討ちに見る武士身分と社会‥‥谷口 眞子
V 藩と幕府
キリシタン禁制をめぐる岡山藩と幕府−‥‥村井 早苗
備前国吉利支丹帳の分析を中心に
キリシタンの追訴と宗門改制度 ‥‥大橋 幸泰
藩庁文書の伝来秩序と藩職制‥‥ 泉  正人
−岡山藩大坂留守居作成文書を素材に
近世中後期岡山藩の「石高」について‥‥ しらが康義
−幕藩権力構造分析の視点から
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