No.989(2017.05)

【300部では少ない、300部でも多い】

 昨年2016年の新刊で、年内に品切になってしまったものが3点ある。
 ・2月『相給村落からみた近世社会』6000円・300部
 ・6月『近世琉球貿易史の研究』12800円・300部
 ・9月『山・鉾・屋台行事』3000円・600部
 上の2点は、れっきとした?専門書である。あと50部は、確実に売れた。この50部、儲け損なってる(泣)。部数の読みが違ったのは、『相給村落』は、編者・執筆者の買上げが予想以上に多かったこと、『近世琉球貿易史』は、日経・経済図書文化賞を受賞したこと、が大きい。
 でもこれを、普通に増刷したら原価は回収できないだろう。あとは、オンデマンド版か電子版かだろうが、いまは考えていない。
 下の『山・鉾・屋台行事』は、世界遺産登録による効果だとは思うが、それは事前に判ってた。でも、民俗学は売れない、というのが頭にこびりついて?いて、部数を絞りすぎた。これは刊行後3か月でなくなったので、300部増刷した。4月末在庫150部。
 他の本では、300部作って発売2か月で 在庫50部になってしまったものがある。しかしこれは、おっ、品切れになるのか?、と期待を持たせておいて、そのあとピタッと、とまってしまった。やはり専門書は300部±50部、というのが適正部数なのか…。
 それ以下だと、出版する価値があるのか?、ということだろう。