山・鉾・屋台行事
祭りを飾る民俗造形

植木行宣・福原敏男 著


2016年9月刊
A5判・210頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-975-7 C3039
3000円 (税別) 品切れ
2016年12月*増刷出来 増刷分も品切れ
評者:入江宣子(『民俗芸能研究』62  pp122  2017.03)評者:福持昌之(『芸能史研究』218  pp81-82  2017.07)
本書の目的は、祭礼における曳き山(ひきやま)や舁き山(かきやま)、傘鉾や京都祇園祭の鉾、さらに屋台や山車などが巡行する行事について再考することにある。都市部ではこれらが神輿渡御の前後を巡行し、祭りを造形的・色彩的に飾り、音曲で囃し、さらに夜間には光輝いて彩ってきた。
この分野の研究は、具体的な造形論研究と、信仰的側面からの意味論研究の両輪が機能してこそ成り立つ。従来は折口信夫の依代論以降、意味論が先行していると言わざるをえない。そこで本書では、山・鉾・屋台類の諸相を「祭りを飾る民俗造形」として、造形論を強調する立場をとる。
【主要目次】

山鉾の祭り─その成立と発展────────────植木 行宣

 第一節 祇園御霊会から祇園祭へ
(祟る御霊/祇園会のはじまり/渡物の流れ/馬上役制と馬上十二鉾)

 第二節 祇園祭山鉾の形成と発展
(風流拍子物の世紀/祇園会の風流拍子物/山鉾の登場)

 第三節 山鉾の本質と形態
(笠鉾型造り山の位相/笠鉾と鉾車/船の造形)

 第四節 山鉾の祭り祇園祭
(山鉾六〇基/明応九年の復興/固定から完成へ/祇園祭のかたち)

 第五節 中世的山鉾の祭りとその伝承
(山鉾の流布/大山を囃す車楽/大山と車楽の広がり/大山の人形戯と車楽の囃子/波々伯部の造山と日立風流物)

 第六節 小袖の風流
(小袖の懸装/博多山笠/小友祇園)

 第七節 近世都市祭礼と山・鉾・屋台
(造り山の流れ/練物から山と屋台の祭りへ/囃されるものと囃すもの/ダシとダンジリ)

折口信夫依代論の原点―髭籠と傘鉾─────────福原 敏男
 一 髭籠依代論
 二 髭籠と出し
 三 だいがく傘鉾論
 四 籠のある傘鉾
 五 だいがくの諸相
 六 太陽神形代解釈の背景

【付録】ユネスコ無形文化遺産登録候補「山・鉾・屋台行事」─福原 敏男


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