No.884(2014.10)

【いい加減なことを言うんじゃねぇよ!】

 ある日、電話で怒鳴られてガチャンと切られた。おい待てよ!と言っても、もう遅い。電話のあと記憶をたどって、どういう誤解なのかがやっと判った。私がいい加減なことを言ってないことを、ここで説明しておく。
 その一週間くらい前だっただろうか、書店さんから問合せの電話があった。立花京子著『信長権力と朝廷』に関するもの。この本は2000年に初版を発行、そのご2002年に、誤りを訂正し索引を付した第2版を発行している。この後に立花さんの著書が出てるか?、という問合せだったような気がする。だから答えは、出してない。これが「正解」。
 で、怒りの電話の内容は、「2004年に出してるじゃないか」ときて、そのあとが 冒頭の「いい加減なことを言うんじゃねぇよ!」である。実は2004年に第2版の第2刷を出している。最初に電話をもらった時には、そのことに気がつかなかった。直接本人と電話で話せればよかったのだが、書店の店員さんを通じての会話だったので、そこまで想像できなかった。
 以前の裏だより(No232)にも書いたが、「版 edition」と「刷 impression,printing」は違いますからね。これで納得してくれるんだろうか。「そんなことは、聞いてねえ。2004年に出した本があるかないかを聞いたら、おまえは、ない と答えたんだよ」、となるんだろうな。これはこれで、はい、そう答えました。と言うしかないが。
 あれっ、でもこの人、2004年の第2版第2刷本を買って、なんだ2002年版と同じじゃないか!って、また怒り出すんじゃないだろうな。だから言ってるでしょ、2002年以降に新しいのは出してないって。この話のおかしさ(というか悲しさ)、版と刷の違いが理解できてないと判らない。
 なお、怒りの主の話し口調は、私が主観を交えて書いてるので、その通りではない。でも、その後、なんの連絡もないので、あれでよかったんだ。私も怒りが消えたし。