No.127 1998年10月
【増刷するということ その1】
 今年の増刷点数は13点になった。増刷したということは、初刷りが品切れになった、ということで、その限りでは儲かったのだが、増刷をしたからといって、すぐに売れるわけではないので、せっかく儲かったお金を増刷のためにつぎこんでいる、という感じがする。
 品切れ前の半年間の売れ行きをみて、毎月10冊ぐらい動いていれば 1年間で100冊は動くだろう。ということは 2年から2年半で200部である。
 岩田書院では、まず初版の作り部数の半分を売って製作原価を回収し、残りの4分の1を売って諸経費を回収し、最後の4分の1が売れて、やっと利益になってくる、という定価の付け方をしている。こうすると、どうしても定価が高くなってしまう。逆に、定価を高くしておかないと、品切れになっても増刷することができないのである。
 定価が高ければ利益率が高いので、200から300部程度の単位でも増刷でき、約半分売れて製作原価を回収、という計算になる。それでも原価回収まで、1年から2年かかることになる。
**** その2はNo129

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