No.129 1998年11月
【増刷するということ その2】
 品切れになってすぐ増刷するのがいいか、しばらく品切れにしておいて、需要がたまってきたところで増刷するのがいいか…。もちろん、かなり動きがいい本は、すぐ増刷できるが、前々回の裏だより(No.127)に書いたように、1か月に10冊程度の売れ行きの場合が問題である。
 この程度の売上げであっても、岩田書院にとっては貴重なものである。せっかくの売れ筋の本を品切れにすると、毎月の売上げが落ちてくる。それに、品切れになると注文が来なくなる。注文が来なければ増刷するだけの見込みがたたず、増刷ができない。
 いま必要があって本を買おうとした人が、品切れであきらめるとする。その人が、数年後に増刷されたからといって、買ってくれるだろうか。その頃には、問題関心が他へ移ってしまい、買ってはくれないだろう。
 もちろん、数年間品切れにしておいて潜在的な需要が多くなってから増刷すれば、増刷した時点である程度の部数が確保できて、原価回収は早まるが、品切れにさせずに常に商品を供給しているほうが、最終的な販売部数は多くなる、と思う。ということで、ある程度売れていて、資金的な余裕があれば、勢いがあるうちに増刷したほうがいい。
     
  *** 今年も春に3点増刷し、年内にさらに3点は増刷できそうです。

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