No.99 1998年2月
【売れない本の話し続き】
 裏だよりNo88で「売れない本」のことを書いた。しかしこれは表現が悪かった。正確にいうと、売れないのではなくて、販売予想部数が多すぎた、作り部数が多すぎた、というべきだったのかも知れない。
 小社では、毎年年末に在庫一覧を作って著者に報告をしているのだが、それを見ていて、ある基準が見えてきた。それは、在庫率(期末在庫数÷製作部数)である。

93/94年 刊行   在庫率 25% 以上   10 ( 19点中 )   *品切れ 3点
95年       30     6   ( 23 )   6
96年       40     4   ( 24 )   2
97年1-6月       50     6   ( 18 )   *在庫率65%以上が3点

 この基準を超えている本は、作り部数が多かった、ということになる。創立当初はどのくらい売れるか判らないで、どうしても多めに作ってしまった。しかし、3年目以降は作り部数を抑えたため、基準を超えている本は随分すくなくなった。
 97年前半につくった本のうち3分の2は、刊行後半年から1年で50%以上売れているが、3点だけ在庫率が65%を超えている。これが「売れない」と書いた本である。
 しかし逆に、部数を抑えすぎたため(予想以上に売れたため)、品切れになってしまったものが何点かでてしまった。今年は、もう少し作り部数の読みをしっかりしよう。これができれば、もっと儲かっているのだが。

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