No.56 1996年7月
【在庫と倉庫(2)】
 以前に裏だよりNo.6で「在庫と倉庫」と題して書いた。そのご倉庫を借りて現在にいたっているが、その倉庫も在庫でいっぱいになってきた。在庫が売れる以上に、新刊を作っているので、どうしても総在庫量は常に増えつづけることになる。95年12月末時点で1万3000冊、定価換算で9200万円。そのご半年間で3000冊増えて今年の6月末時点で1万6000冊になった(定価に換算すると1億円は軽く超える.スゴイ)。
 そこで、別の倉庫を借りなくてはいけないと思って、近くの不動産屋に聞いてみたらビックリ。なんと保証金だけで200万円以上である。これじゃ無理だ。
 よく考えてみると、今回の倉庫はなんのために借りるかというと、デッド・ストックを保管するためである。ふだん流通している在庫を保管するためだけなら、いまの倉庫でなんとかなる。作り部数が100部から200部多かった、というのが何点かあり、これがなくなれば、いまの倉庫でなんとかなるのである。
 そのためには、(1)断裁処分する、(2)古書市場に流す、という方法がある。(1)は自分の身を切り刻むようでちょっと忍びない、(2)はせいぜい定価の1割程度でしか売れないし評判が悪くなるからしたくない。この、ちょっと出来の悪い本たちは、持っていたからといって税金がかかるわけではない(売れない本なので資産価値は0に等しいため)。だから、保管場所さえあれば処分する必要はないのである。
 となると、やはり例の秘策(?)が最良の方法だ、ということになる。やはり、著者の自宅に置いてもらうことにしようか…。
     
  *そのご新しい倉庫を借りました。No76参照。

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