No.6 1993年9月
【在庫と倉庫】
 岩田書院も、10月にあと1点だして、創立5か月で7点の新刊をつくったことになります。売ることも考えずに、つくりすぎ、という気がするのですが…。
 その結果として、早くも本の置場がなくなりました。そもそも、事務所として借りている部屋は6畳ひとまに台所というアパートですので、倉庫を借りなければならないことは、はじめからわかっていたのですが、当面は借りる必要もないので、あとまわしにしていました。
 出版社の悩みは、増え続ける在庫をどうするか、というところにあるわけですが、小さいところでも、たいていは埼玉とか千葉あたりに倉庫を借りています。
 小社でも、どこか近くて安いところはないかなぁと探してはいるのですが、いまだに名案なし。ひとつだけ秘策(?)があります。それは、著者の自宅に自分の本を売れるまで預かってもらうこと。1点700冊として、畳半畳分のスペースで、高さ約2m、重さ600kg、これ1点だけならなんとかなるんでは…。そして毎日自分の著書をながめ、家族の非難のまなざしに耐え続ける、ということになります。かなりいい考えだと思うのですが、いまだに、とても言い出せません。
     
  初期の裏だよりで一番反響がよかった(?)のは、この号でした。たしかに私自身、在庫を著者に預けるというこの案は、今でも名案だと思っています。そのご事務所も広くなって、倉庫も借りたのですが、それも満杯になってきました。そろそろこの名案を実行に移す時期がきたのかもしれません。
     
  *そのごの経緯はNo56参照。

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