No.28 1995年7月
【お詫び、いいわけ、そして反省】
 ここのところ印刷・製本が良くない本を、そのまま出版してしまったものがある。第1は、『幕末維新期の政治社会構造』(95.5)である。この本は、経費削減のために、組版はワープロの編集機を使い、600dpiという精度で普通紙に印字したものを版下にして、ダイレクト製版という方式で、フィルムを使わないでオフセット印刷にした。この過程でいくつか失敗している。600dpiという精度がそもそも粗かったこと、それを普通紙に印字したために、その粗さがそのまま出てしまったこと、さらに印刷段階で表裏の濃度差が出て、よけいに目立ってしまったこと。
 第2は、『菅江真澄民俗語彙』(95.6)である。これは製本屋さんが、見返しを付けないで製本してしまった。見返しとは、本文と表紙をつなぐ厚紙のこと。製本の強度としては、なくても問題はないのだが、この本は頁数が少ないので、ただでさえ薄い本が、よけいペラペラになってしまった。
 2点とも作り直しをしたいくらいであったが、安い値段で仕事をしてくれている現場が見えてくるだけに、その責任を印刷屋さんや製本屋さんに押しつけるわけにもいかなかった。かといって、作り直す経費のことを考えると、結局そのまま目をつぶって出してしまった。自分としては、おおいに反省しているのだが、やはりお金がからむと現実的に対応してしまう。なにとぞ御了承の程を…。
     
  第1の例は、経費削減のための方策でしたが、そのご、パソコンの編集機を使った組版で、何冊か本をだしました(No38参照)。
     
  *おかげさまで『菅江真澄民俗語彙』増刷です。今度は見返しをつけて、本文用紙も厚くしました。

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