本書は、横浜開港を契機とする近代的経済発展の基礎として、交通・運輸における変革が、幕末維新以降、明治前期にわたる近代移行期において、どのような進展を見たかを、これを推進しようとする明治新政府と、他方にあって自らの手で近代化を果たそうとする地域企業家たちの努力に即して、具体的に明らかにしようと努めたものである。
陸運としての甲斐中馬や、内航海運としての富士川舟運などを考察し、それが鉄道輸送へと変化するまでの内陸輸送の実態を明らかにする。 |
【主要目次】 |
|
序 章 幕末維新期における交通・運輸の諸問題 |
|
|
第1部 維新期交通運輸制度の改廃と崩壊 |
|
第1章 戊辰戦役と宿・助郷問題 |
|
第2章 宿・助郷組替えと駅費問題 |
|
第3章 定立人足・定助郷復活と人馬継立の自由化 |
|
|
|
第2部 新交通運輸制度と諸会社の創業 |
|
第1章 各駅陸運会社の創設と山梨県下各駅 |
|
第2章 甲斐国中馬会社の創業 |
|
第3章 富士川運輸会社の創業 |
|
第4章 陸運元会社による継立機構の整備と郵便関連事業 |
|
|
|
第3部 殖産興業政策下における交通運輸の発展 |
|
第1章 殖産興業政策と交通運輸 |
|
第2章 甲斐国中馬会社の発展 |
|
第3章 富士川運輸会社の発展 |
|
|
|
終 章 明治前期における全国的交通運輸機構の再編
―内航海運から鉄道へ― |
|
|
|
  |