地方財閥の近代 甲州財閥の興亡


斎藤 康彦 著
(山梨大学教授/1947年生まれ)


2009年9月刊
A5判・378頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-575-1 C3021
9500円
『転換期の在来産業と地方財閥』(2002年)、『産業近代化と民衆の生活基盤』(2005年、いずれも岩田書院刊)に続く、山梨県の近代史研究。
「甲州財閥とは、明治中期から昭和戦前期にかけて、山梨県(甲州)出身の若尾逸平・雨宮敬次郎・小野金六・根津嘉一郎と、それに続く小池国三・古屋徳兵衛・堀内良平等の実業家たちが、「郷土的意識」と資本の緩やかな結合で形成した実業家集団の総称である。…
 本書は全て書き下ろしであり、検証は徹底した資料調査で得られた厖大な経営データの厳密な分析・検討で支えられていると自負している。」 (本書「課題と方法」より)
明治〜戦前の山梨県出身の実業家集団の生成から凋落までを、日本資本主義発達史研究のなかに正しく位置づける。
【主要目次】図表119点

第1部 甲州財閥の生成−鉄道業界での経営手法−
 第1章 東京馬車鉄道の経営掌握
 第2章 甲武鉄道への経営参画
 第3章 東京市街鉄道と三電鼎立
 第4章 東武鉄道の再建と経営戦略

第2部 甲州財閥の展開−産業化の進展と多角化−
 第1章 大日本軌道の成立と解体
 第2章 ビール業界への進出と競争
 第3章 富国徴兵保険の経営と投資
 第4章 東京地下鉄道の起業と結末

第3部 甲州財閥の凋落−積極路線の展開と挫折−
 第1章 東京渡辺一族との連携
 第2章 東京若尾家と三ツ引事業群
 第3章 東洋モスリンの経営危機
 第4章 「三電競争」と東京電灯

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