続 藤原式家官人の考察
良継と緒嗣を中心に

木本(きもと) 好信(よしのぶ)
(元 龍谷大学教授/1950年生まれ)


2025年9月刊
A5判・184頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-188-1 C3021
3600 (税別)
著者は、『藤原北家・京家官人の考察』(2015年)、つづいて『藤原南家・北家官人の考察』(2019年)を刊行した。そして、絶版となっていた前著『藤原式家官人の考察』も新装版として復刊した(2019年、いずれも岩田書院刊)。本書は、これに続くもので、本書をもって著者長年の「藤原氏を出自とする官人」の考察は終止符をうつことになる。
 前著『藤原式家官人の考察』には、奈良時代の式家官人で政治的に注視すべき官人の考察は殆ど収載しているが、藤原良継とその甥緒嗣については論及せずにいた。
 そこで本書では、あくなき権勢を追求してなによりも式家の隆盛を希求した良継、一方、なによりも道理を重んじて式家の隆昌には無頓着であった緒嗣、その両極端な両者の実像を生涯にわたって論及して明らかにする。第一章・第二章は新稿。付論の2編は木本『奈良時代政治史の諸相』(和泉書院、2025年)より再録。
【主要目次】

第一章 藤原良継

 一 良継の出自・出生と出身  
 二 良継と藤原仲麻呂政権  
 三 良継と称徳・道鏡政権  
 四 良継と光仁天皇擁立  
 五 良継と藤原式家主導体制  
 六 良継と井上廃后・他戸廃太子  
 七 良継と山部親王(桓武天皇)の擁立  
 八 良継と藤原氏主導体制の成立と衰退  
 九 良継の妻妾と子女  

第二章 藤原緒嗣


 一 桓武朝の緒嗣 ─桓武の鍾愛と徳政相論─  
 二 平城朝の緒嗣 ─観察使と陸奥出羽按察使─  
 三 嵯峨朝の緒嗣 ─平城太上天皇(藤原薬子)の変─  
 四 淳和朝の緒嗣 ─冬嗣との葛藤─  
 五 仁明朝の緒嗣 ─国老として─  

付論1 藤原仲成と妹東子の入内  
付論2 藤原宅美 ─式家衰亡の一要因─

ご注文へTOPEへ