藤原式家官人の考察 新装復刊

木本 好信(キモト ヨシノブ)
(龍谷大学特任教授/1950年生まれ)


2019年9月刊
A5判・276頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-080-8 C3021
5900円 (税別)
「藤原氏は、南家、式家、北家とその時々の政治を領導してきたように見受けられる。ことに式家は、その始祖宇合の存在感が強く子孫にまで影響して、古代最大の転換ともいうべき草壁皇統(天武皇統)から天智皇統への、そして奈良時代から平安時代へのうつりかわりを演出した家系である。(中略)そこで本書は、式家出身官人の中でも、宇合にはじまって、奈良時代末期、その政治を領導し「式家の時代」を現出させた田村麻呂、百川、蔵下麻呂らの次世代と、その余光にあずかった種継という三世代目の官人に注視し、それぞれの中から宇合以来の式家の果たした政治的役割を考えようとした。」(旧版あとがきより)
藤原北家・京家官人の考察』(2015年)、『藤原南家・北家官人の考察』(2019年、いずれも岩田書院)と併せて、藤原四家官人の考察、完結。
元版:1998年・高科書店刊(ただし人名索引は今回削除)
【主要目次】

序 ────────────────────── 直木 孝次郎
  「いままで詳しく論じられることの少なかった式家を正面に据え、奈良時代政治史における役割を明らかにした力作といえよう。」

第一章 藤原宇合
 (宇合の出自と出身以後/長屋王の変と参議昇任以後/
 西海道節度使大宰帥補任以後/宇合の生年について)

第二章 藤原田麻呂
 (田村麻呂の出自と出身/藤原仲麻呂政権下の田村麻呂/
 称徳・道鏡政権下の田村麻呂/式家主導体制確立期の田村麻呂/
 式家主導体制崩壊後の田村麻呂/桓武朝の田村麻呂)

第三章 藤原百川
 (百川の出生/百川の出身以後/称徳・道鏡政権下の百川/
 白壁王の擁立と百川/井上廃后・他戸廃太子、山部の擁立と百川/
 式家主導体制と百川)

第四章 藤原蔵下麻呂
 (蔵下麻呂の出生と出身/藤原仲麻呂政権下の蔵下麻呂/
 称徳・道鏡政権下の蔵下麻呂)

第五章 藤原種継
 (種継の出自・出生と出身/式家主導体制下の種継/
 式家主導体制崩壊後の種継/種継の兄弟・子女/
 種継の近衛員外少将・紀伊守補任について/
 種継暗殺と早良廃太子の政治的背景/種継と南山背)


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