富士山の祭神論


竹谷 靱負著
(拓殖大学教授・富士山文化研究会会長・理学博士/1941年生まれ)


2006年9月刊
A5判・326頁・上製本・カバー装
ISBN4-87294-446-1
6900円 (税別) 品切れ

前著『富士山の精神史−なぜ富士山を三峰に描くのか』(青山社 1997)に続き、「なぜ 富 士山の祭神・守護神は女神として示現するのか」、を論の中軸にすえて論究する。
そこで本書では、古伝の「富士山縁起」を精読することにより、不動明王・大日如来・天照大神・浅間大菩薩・赫夜姫・木花開耶姫命という、富士山の祭神の系譜を確認する。
祭神が女神であるのは、大日如来が本地仏となった時点で必然的に帰結されるものであり、その根元は、富士山の守護神が不動明王になったことにある。すべては、村山修験の不動明王信仰に端を発するものである。
降って、赫夜姫を富士山の祭神とする思想も、村山修験の古伝の「富士山縁起」にその起源をもつことを明らかにする。
【収録内容】 
序 章 「富士山縁起」の原本とは−「富士山縁起」は「東泉院縁起」ではないのか−
第1章 古伝の「富士山縁起」に基づく問題提起
第2章 不動明王と浅間大神−なぜ不動明王は富士山の地主神なのか−
第3章 大日如来と浅間大菩薩−なぜ大日如来は富士山の本地仏なのか−
第4章 千眼大菩薩−なぜ浅間大菩薩が富士山の垂迹神なのか−
第5章 赫夜姫(1)−なぜ赫夜姫は富士山の仙女なのか−
第6章 赫夜姫(2)−なぜ赫夜姫は浅間大菩薩なのか−
第7章 仙元大菩薩−なぜ浅間大菩薩を仙元大菩薩と書くのか−
第8章 木花開耶姫命−なぜ木花開耶姫命は浅間大菩薩なのか−
第9章 金色姫−金色姫は赫夜姫かそれとも木花開耶姫命か−
第10章 天照大神(1)−なぜ赫夜姫は天照大神なのか−
第11章 天照大神(2)−なぜ天照大神は富士山の祭神なのか−
終 章 なぜ富士山の祭神は女神なのか

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