中近世移行期の土豪と村落 池上裕子編(成蹊大学教授/1947年生まれ) 2005年12月刊 A5判・352頁・上製本・カバー装 ISBN4-87294-410-0 6900円 |
|
「この研究において重視した基本的な点は次の三つである。第一は、従来の中世、近世という時代区分の枠組みをこえて、戦国期から十七世紀までを中世近世移行期ととらえ、その期間を通して研究対象とすることである。第二は現地調査(現地踏査・聞き取り・文献調査)に力を注ぐこと、第三はそれらをふまえて、多様な生業と階層の人々からなる村落や在地社会のあり方・成り立ちと、その中における土豪の役割・位置づけ等を具体的に追究することである。 研究対象は、戦国大名北条氏の支配領域に属したところで、これまでにも戦国期研究と近世初期研究の双方から注目され、論及されてきた土豪とその居住村を中心に選んだ。その選択に当たっては、環境や生業の違いによる比較等も視野において、村を海辺の村(海村・漁村)、農業を主な生業としているとみられる村(農村)、農地が非常に少なく山林の多い村(山村)の三つに分類し、それぞれに該当する村を選んだ。」 (「はしがき」より) |
|
【収録内容】 | |
第1部 土豪論 | |
武蔵国荒川郷と荒川衆―戦国・織豊期を中心に― | 池上 裕子 |
武蔵国榛沢郡荒川村に関する一考察―名主屋敷と寺地の交換伝説をたどる― | 遠藤ゆり子 |
戦国〜近世初期伊豆西浦における大川氏の展開 | 黒田 基樹 |
江戸時代前期の漁村にみる百姓の生活と土豪 ―伊豆国長浜村の津元大川家と網子の関係を中心に― |
長谷川裕子 |
駿河国獅子浜村の景観と土豪―植松家と増田家を中心に― | 長谷川裕子 |
第2部 村落論 | |
海村の退転―十六〜十七世紀の伊豆浦々の被災と変動― | 藤木 久志 |
戦国〜近世初期海村の構造―伊豆江梨・西浦を中心に― | 則竹 雄一 |
戦国〜近世初期豆州三津村の構造 | 黒田 基樹 |
十七世紀上野国三波川村における山論 | 渡辺 尚志 |
近世初期上野国三波川村の縁組みと奉公契約―宗門帳からみた村落― | 遠藤ゆり子 |