近代史研究叢書F
近代日本の大都市形成


鈴木 勇一郎著
(青山学院大学文学部助手/1972年生まれ)


2004年5月刊 
ISBN4-87294-310-4

A5判・366頁・上製本・函入

7900円
「近代の大都市は、絶え間ない膨張によって形成されてきた都市であるといえる。この形成過程を追うためには、徒歩の範囲を超えて地理的な拡大を可能にし得る道路や交通機関をはじめとする「骨格」の形成過程を明らかにしていかなければならない。
次に「計画」である。膨張してきた都市に対して、いかなる対応がとられようとし、どうのような都市の形成がされたのかを明らかにする必要があるだろう。
さらにこれらの骨格や計画に応じて、実際にどのように市街地が形成されていったのかという「実態」を明らかにしていかなくてはならない。」    (本書「序章」より)
明治30年代〜昭和10年代を中心とした東京・大阪を事例に、交通網の発達や、「田園都市」の理想と現実の関係などを明らかにすることで、日本の近代都市の一面を照射する。
【主要目次】
第1部 近代都市への転形
第1章 大阪における近代都市の成立と築港問題
第2章 東京市区改正計画と交通問題
第2部 「郊外生活」と「田園都市」
第3章 明治末期大阪天下茶屋地区における郊外住宅地の形成
第4章 私鉄による郊外住宅地開発の開始と「田園都市」
第5章 明治後期における都市東京の変容と「田園都市」問題の登場
第3部 近代大都市の形成と展開
第6章 大阪市区改正委員会と高速鉄道計画の形成
第7章 大阪における区画整理の展開と都市形成
第8章 「大東京」概念の形成と国有鉄道の動向
第9章 近郊農村の都市化と宅地開発
第4部 近代大都市の変容
第10章 地方計画・国土計画の登場と都市大阪の変容
第11章 東京緑地計画と地方計画
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