本書は、1995年に栃木県歴史文化研究会の近世・近代史セミナーが、茨城・栃木・群馬の3県を中心に近世・近現代の研究者に呼びかけてはじめた「地域社会と近代化シンポジウム」における報告をもとに、その成果を集めた最初の報告集である。シンポジウムはこれまでに計13回開催されているが、そのうち第1回から第6回までは「北関東の世直し一揆とその背景」が、シンポジウム全体の基調をなすメーンテーマとなっていた。(本書より) |
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【主要目次】 |
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第1章 |
維新変革期における農民の動向 |
高橋 実 |
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世直し状況の深化と自衛強化/上からの「御一新」精神と論理/下からの「御一新」意識と行動/「御国益」論理の展開 |
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第2章 |
常陸地方の世直しと明治維新 |
高橋 裕文 |
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幕末の水戸藩改革と村方騒動の激化/天狗党の筑波挙兵と金策・暴行/民衆の自衛と抵抗/世直し一揆の広がり/寄合・徒党の日常化/他 |
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第3章 |
下野世直しにおける民衆と地域秩序 |
斎藤 悦正 |
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―世直し要求の正統化と地域寺院の動向― |
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世直しの推移と世直し勢の要求/地域秩序と寺社 |
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第4章 |
上信世直し一揆の基礎的研究 |
中島 明 |
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―世直し一揆の具体的様相と政策的昇華について― |
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上信世直し一揆の基礎構造/世直し一揆の展開/世直し一揆の政策的昇華 |
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第5章 |
慶応4年武州東北部における世直し騒動の一考察 |
長谷川 伸三 |
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寄居寄場騒動/羽生騒動/羽生騒動の波紋/吉身町周辺での世直し騒動/他 |
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第6章 |
変革期における地域社会編成の論理と世直し |
阿部 昭 |
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―地域指導者の活動と民衆運動からの乖離― |
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国産国益論の展開と通船事業/「農家用心集」に見る地域指導者の論理/他 |
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