近世国家の権力構造
―政治・支配・行政―


大石 学編
(東京学芸大学教授/1953年生まれ)

2003年5月刊 
A5判・432頁・上製本・函入
ISBN4-87294-269-8
11800円
本書は、近世国家権力を、政治(権力行使)、支配(統治)、行政(政務)といった機能に注目して分析しようとするものである。分析視角としては、@構造的視角と、A動態的視角を用いる。@構造的視角からは、近世国家の統合原理である「役」に注目する。A動態的視角からは、権力間の緊張・対立関係、および統合・依存関係の展開や、これと関連した役と領地・知行所・俸禄との関係の変化を、各歴史場面において具体的に捉えることをめざした。東京学芸大学近世史研究会の共同研究の成果の第1集で、所収論文の多くは、1997年〜2001年度に東京学芸大学に提出した卒業論文や修士論文を発展させたものである。
主要目次
序 章 近世国家の権力構造―政治・支配・行政 大石 学
第1章 寛永期一柳氏の分知について
―家臣団とアーカイブズの分割―
大石 学
第2章 近世天皇葬送儀礼確立の政治史的意義
―後光明天皇葬送儀礼の検討を中心に―
野村 玄
第3章 越後騒動に関する一考察
―幕藩権力構造分析の視点から―
佐藤 宏之
第4章 水戸藩連枝の支配構造
―守山藩常陸領を中心に―
根本 俊
第5章 享保初期政権に関する一考察
―徳山毛利藩再興運動を中心に―
中村 大介
第6章 御三卿の領知変遷 竹村 誠
第7章 転封に関する一考察
―明和4年 前橋藩主松平朝矩川越転封の実態―
橋本 光晴
第8章 高家の知行所支配―戸田氏・今川氏を事例に 福井 那佳子
第9章 幕末期の旗本の「役」と知行所支配
―1500石の旗本牧野氏を事例に―
野本 禎司
第10章 近代移行期、官僚組織編成における幕府官僚に関する統計的検討
―『明治五年 官員全書』を中心に―
三野 行徳
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