本山派修験と熊野先達

新城美恵子 著

1999年12月刊
A5判・本文290頁・上製本・函入り
ISBN4-87294-154-3
5900円 品切れ

1998年4月に逝去された著者の遺稿集。
修験関係論文の他、多摩地域の市町村史執筆分と修士論文を収録。

宮家 準 氏「序」より 本書巻頭の「中世後期熊野先達の在所とその地域的特徴」に結実する研究の構想を日本仏教研究会で発表された。当時刊行された『熊野那智大社文書』を丹念に分析した精緻な発表で、その努力に感服した。…このあとたて続けに、聖護院系教派修験の成立や、商人の坂東屋富松が熊野先達として活躍したことを解明した興味深い論考を発表された。…「補任状からみた修験道本山派の組織構造」は、元禄期頃から聖護院門跡による末派支配が確立したことを発給文書を通して解明した興味深いもので、教派修験研究の新しい展開をもたらしたものである。


【主要目次】

中世後期熊野先達の在所とその地域的特徴−伊予・陸奥国を例として−
先達単位の檀那掌握(伊予)/一族単位の檀那掌握(陸奥)
聖護院系教派修験道成立の過程
熊野山伏結合体の推移と聖護院門跡/熊野三山勢力の衰退と聖護院門跡

武蔵国十玉坊と聖護院
補任状からみた修験道本山派の組織構造−中世から近世へ−

武蔵国半沢覚円坊について
民間信仰調査の方法−寺院縁起・信仰資料−

本山派修験玉林院関係文書について
−饗庭武昭氏寄託「古書写」解説−
藤田定興著『近世修験道の地域的展開』を読んで

武蔵国葛飾郡笹ケ崎村の人々とくらし−「宗門人別帳」を中心に−
武蔵国多摩郡乞田村の人々とくらし−明和7〜9年「日記并諸事控帳」から−

家のつきあいと信仰−多摩市域の近世社会−

「自由」の語義の変遷にみる思想史的意義


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