刺青/TATTOO


斎藤 卓志

(安城市史編さん室)

1999年8月刊
四六判・254頁・上製本・カバー装
ISBN4-87294-150-0
2800円  品切れ
書評再録へ(2)

「何が人をそれほどまでに刺青に向かわせるのか。
刺青のどこにそれだけ人を惹きつける力があるのか、世間はそれをどう見てきたのか、
さらにそれは、伝統的な身体への思いとどうつながるのかなど、関心がひろがっていった。
そしてこの近づきがたく得体のしれない刺青の虚像と実像とを
自分の目で確かめてみたくなったのである。…
考えあぐねてたどりついたのは、墨を入れる彫師、そして彫師の針を受ける客、
その刺青を見る世間、この三つの側面から見るという変哲もない方法だった。
だが刺青をつきつめていくと、三者の心の中に潜む心象になる。
それぞれが持ってきた「刺青」をありのままに見ることで、
刺青のおかれてきた姿を浮かび上がらせることができると考えた。
対象を捉えるための方法は、歩く、見る、聞くという長く親しんできた民俗学の方法で
あった。」(本書「はじめに」より)


【主要目次】

第1章 刺青のみえる風景(刺青へのいざない/拒絶された
 風俗/谷崎潤一郎『刺青』の虚構/江戸彫勇会の大山詣り)
第2章 意匠と技術(下絵のモチーフ/モチーフの周辺/か
 らだを彫る/薄墨ぼかしの技法/刺青と痛み)
第3章 素顔の刺青師(粋でなけりゃあ/刺青職人の誇り/
 内弟子の時代/彫師の女房/膚を彫る男)
第4章 刺青を背負う(「羽衣」の誕生/刺青を背負う男たち
 /タトゥーの流行/<私>のタトゥー/タトゥーコレクター)
第5章 刺青の呪力と心性(刺青の霊的な力/性と刺青の回
 路/アンケートから見た実像)
第6章 誰のために装うか


ご注文へ