御影史学研究会 歴史学叢書1
日本古代の
王位継承と親族


成清弘和著

(園田学園女子大学非常勤講師)

1999年4月刊
A5判・284頁・上製本・函入
ISBN4-87294-135-7
5900円
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「古代天皇制の成立に大きく関与するであろう血縁原理(具体的には王位の継承という事象や古代支配者層の親族形態)を、より客観的・普遍的に考察するために、記紀の厳密な内的批判という方法だけではなく、文化(社会)人類学の理論を加味した古代の親族論―特に双方(系)的親族論―にも依拠しながら、律令をも主な対象として研究を進めてきた…。
 結局、日本古代の血縁原理として、父方・母方のいずれにも偏ることのない、柔軟性に富んだ双方(系)制というものが存在し、それが王位の継承や支配者層の親族形態などを大きく規定していたのではないか、という仮説を導出することが可能となる。」 (序より)


【主要目次】

第1編 王位継承の諸相
第1章 継体紀の「五世孫」について
第2章 欽明紀の「嫡子」について
第3章 大后についての史料的再検討
付論 大后と大兄―田中嗣人氏の批判に接して―
第4章 女帝小考―孝謙・称徳女帝をめぐって―
第5章 日本古代王位継承法試論

第2編 親族形態の諸相
第1章 「祖」に関する基礎的考察―古代親族名称の側面を中心に―
第2章 律令における「外祖父母」について
第3章 古代親等制小考―唐 袒免親の継受をめぐって―
第4章 古代における所生子の帰属について
―戸令規定と大化の男女の法との比較を通して―
第5章 令規定における皇族称号について―公式令平出条をめぐって―

*本叢書は、御影史学研究会民俗学叢書(既刊12冊)に続く、日本史系の研究叢書です。


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