御影史学研究会民俗学叢書12
民俗村落の空間構造


八木康幸著

(関西学院大学教授)

1998年4月刊
A5判・318頁・上製本・函入り
ISBN4-87294-105-5
5800円
書評再録へ(2)

「1980年代までの日本民俗学と人文地理学の研究動向を概観することで、両者がすでに村落研究のある種の関心領域を共有してきたことが理解される。それは民俗学による「空間」への関心と、地理学による「意味」(民俗学の文脈に即していえば「心意」)への関心が交差するところに現れる領域である。
本書の大部分はこの境界領域に関わる論考からなる。
内容は、行事や儀礼の分析を通じて村落社会と空間の関係を探る第1章〜第3章、村境や葬式道を手がかりに場所の意味や空間の象徴性を論じる第4章〜第6章、分布論的方法を用いて村落墓地と墓制の成立要件に迫る第7章〜第9章に分けることができ、本書の研究を支える地理学と民俗学の二つの学問の関係を論じる第10章を付論としている。」
(本書「緒言」より)

【主要目次】
緒 言   
第1章  五島農村の空間構成とその変化―福江島大川原の場合―
第2章  五島の正月綱引き―福江島幾久山の事例―
第3章  近江湖南村落における宮座と象徴空間
第4章  村境の象徴論的意味
第5章  村落空間の諸相―湖北菅浦を例にして―
第6章  葬式道と御旅道―村の道の空間論ノート―
第7章  淡路島中部の墓制
第8章  村落と墓制―淡路島灘地区の事例―
第9章  村落墓地の規模について―淡路島を例として―
第10章  地理学と民俗学
結 語                                          
文 献   
 
*御影史学研究会民俗学叢書(1)〜(6)は名著出版刊

ご注文へ