No.X-68(2006.2)

原稿を盗まれた(4)】

 さらに後日談。その日の夕方、「そいつ」が また盗りにきた。私が101号室から103号室に戻ろうとした時、若い学生風の男が、このマンションに入ってこようとした。おやっ、102号室の友達かな、っと思ったら、そいつ、入るのをやめて、そのまま出ていってしまった。自転車で、北の方向へ…。
 犯人は、いつもこの事務所の前を通っているやつであることは予想できた。現に、原稿が捨てられてあった公園は、駅と事務所を結ぶ線の延長線上にある。自転車で逃げていった?方向も、その方向である。それにしても、完全になめきってるな。ご用聞きじゃないんだから。いいかげんにしろっ!。
 というようなわけで、お蔭様で無事、原稿は戻ってきました。原稿を盗むやつがいるなんて思わないから、管理が甘くなったのは確かである。それにしても、本を盗むついでに原稿を持ってくなよな。
 ある人にこの話をしたら、「岩田さん、自分が社長でよかったね。社員だったら 大変だよ」といわれた。たしかにそうだ。大事な原稿をなくしたとなれば、大変だ。社長でよかった??。(この項、ようやく終わり)