No.935(2015.10)

【最短2か月 最長20年以上】

 前回(No931)は、原稿を私が3か月も抱え込んでしまった話。
 こんなに時間がかかるものもあれば、原稿をいただいてから正味2か月で、A5判・270頁の上製・函入りの専門書ができてしまう、ということもある。これは、岩田書院の最速の部類。原稿がしっかりしていて、内容はもちろんだが、見出しの立て方から、用字用語の統一、註のスタイルまできちんとしていて、校正も赤字が少なければ、再校で責了。あっという間に本なってしまった。
 もっとも、この春には、同じく2か月で本にしたのがあるが、こちらは力技。しかも共同執筆の論文集で執筆者が何人もいる。製本こそ並製で、上製本より時間がかからないが、それでも各執筆者に校正を2回見てもらって、納期ぎりぎりに納品。同じ2か月とは言っても、手間のかかりようが違う。
 かと思うと、初校を出して、はや20年以上、その間に著者が校正ゲラをどっかに紛失して、もう一度ゲラをコピーして送ったこともある。こんなに時間がかかれば、著者も20年以上、歳をとる。もう本人が校正を出来る状態じゃなくなった。そこで、お弟子さんに頼んで進行を依頼。再度校正を出し直して送ったのだが、また校正が戻らないんだなあ〜、これが。というわけで制作期間最長記録、ただいま更新中。