No.753(2012.06)

【売ろうとすれば売れる、ということか】

 あたりまえのように聞こえるかもしれないが、最近、それを実感した事例2つ。
 『静岡の力石』(高島慎助・雨宮清子著)。この本は全国の力石シリーズの1冊で、岩田書院が発売元になっている。したがって、こういう言い方は悪いが、売れなくても岩田書院は損はしないし、売れてもたいした利益はでない。ということは、本が出ても「新刊ニュース」のオモテ面には載らずに、ウラ面に1回広告するだけで、おしまい。この程度の告知では、売れても、たかが知れている。ところが、今回は共著者の一人が、地元の図書館などに宣伝してくれて、発売後3か月で70冊。他の巻が20冊売るのがやっとという状況で、これだけの冊数は、著者の販売努力の効果がいかに大きいか。そしてもう1冊。
 『いま求められる図書館員』(福井京子著)。これは副題に、「京都大学教育学部図書室の35年」とあるように、京大教育学部図書室のヌシ?(ごめんなさい)だった人が書いた本。その人脈で、京大生協には50冊、「平(ひら)積み」です。
 自分の著書が本屋さんに並んでいたりすると、なんか恥ずかしい、と思うもかもしれないが、恥ずかしがってはいけません。講演会などでは、せっせと宣伝してください。
 岩田書院は営業がいないので、地元の本が出ても、そこの書店に本を置いてもらうことすらしない、地元の新聞社に紹介してもらおうともしない。かりに新聞で紹介されたとしても、本屋さんに置いてない。これじゃ売れないですよね。やればいい、というのは判っているし、やればそれだけの効果があるのは判ってるが、できない。
 私ができないことを著者がやってくれる(見るに見かねて?)。ありがたいことです。