No.708(2011.10)

【出版梓会「出版文化賞」自薦】

 出版梓会という団体があって、そこが「出版文化賞」を出しているのをご存じだろうか。「出版界には、作品・著作者を表彰する賞は多数ありますが、出版社を対象に顕彰する賞は、わが国では類を見ません。梓会出版文化賞は、1982年(昭和57年)、当会の社団法人化を機に公益事業として創設されました。昨今の出版界は前例のない変容期に直面し、活字文化の存続を危ぶむ声すらあります。本賞は、このような状況のもとで、なお優れた出版活動を行っている出版社を激励することを目的としています」という趣旨。
 私は、以前勤めていた名著出版の時に、名著出版が梓会に加盟していた関係で、ここの仕事を少しお手伝いしたことがあって、以前から、岩田書院にくれてもいいよな、と思っていたのだが、誰もあげると言ってくれない(笑)。規定をよく読んだら、選考対象社は、自薦または他薦によると書いてある。ならば、自薦するか。でも自薦で受賞できなかったら恥ずかしいし、その時期が問題になる。岩田書院の20周年まではあと2年あるが、今年は『熊野観心十界曼荼羅』という大作を出したことでもあるし、ここで出してみよう、と思い立って自薦しました。結果は来年早々に出ます。その時期になって、この「裏だより」で何も報告がなかったら、だめだった、と思ってください。
 なお、その賞金50万円。じつは使い道は、もう決めてある。岩田書院でその年で一番売れた本(または一番苦労した本?)の編著者に対して、お礼として毎年10万円、あげようと思う。日頃言ってるように、岩田書院は、せいぜいやったとしても、あと10年。年10万円だと5年でなくなってしまう計算になるが、これといった本がない年もあるだろうから、ちょうどいいかと。
 過去のブック・オブ・ザ・イアーの対象作としては、2005『学芸員の仕事』、2008『死者のゆくえ』、2009『九相図資料集成』などだろうか。