No.680(2011.3)

【原稿整理・校正 雑感 引用文の形式】

 日本史・日本文学系の縦組みの場合です。基本は、どこからどこまでが引用文であるかが判ること。短い文章の場合は、「 」で括る。長い文章の場合は、段落を改めて 区別させます。その際、いくつか方法があります。
  ・文字を小さくする。書体(フォント)を変える。
  ・前後を1行アキにする。
  ・字下げをする(併せて、行末の字上げをすることもある)。
 岩田書院では、文字は本文と同じにして、前後を空けずに、2字下げとします。
 前後を1行アキにしないのは、アキにすると2行分増えてしまうので、もったいないし、引用文が1行の場合は、小見出しと区別がつけにくい、という理由による。ただし問題もある。それは、複数の史料を続けて引用する場合。史料の分かれ目をはっきりさせるために1行アキをつくると、本文とはアキがないのに、引用文中に1行アキができてしまう。
 2字下げにするのは、1字下げだと、本文の改行行頭の1字下げと区別がつけにくいからで、行末は、字上げしなくても引用文であることが判るので、字上げはしない。
 前近代の資料に関しては、改行行頭の1字下げはしない。近代以降の資料で、複数の段落にわたって引用する場合は、行頭の字下げをしないと改行箇所が判りにくくなるので、字下げをする。もっとも、引用は、文章のある部分を切り取ってくるわけだから、行頭の1字下げは無視してもいい、とも言える。(以下、続く)