No.681(2011.3)

【原稿整理・校正 雑感 引用文の形式(前の続き)】

 日本史の史料では、「一、■■…」(いわゆる「ひとつ書き」)で始まる文書が多い。この場合は、(A)「一」を1字下げにして、次の行から2字下げにする。そうすると、引用文の本文が2字下げになって、他の引用文と同じ高さになる(「一」の字体そのものが見た目で半分下がっているので、1字上がっていても あまり気にならない)。これを、
 (B)「一」を2字下げにすると、以下の行が3字下げになってしまう。(C)次の行の頭を1行目の本文の頭と揃えようとすると、2行目以降は4字下げになって、下がり過ぎになるので、避けたい。
 (A) □一、 ■■■  (B)□□一、 ■■■ (C) □□一、 ■■■
    □□■■■■    □□□■■■■    □□□□■■■
 もう少しこだわろうとすると、「一、」で1字分にするとか、「一」の次を半角アキにすとか、いくつか方法があるが、組版が面倒なので、あまりお薦めできない。
 (A)の場合、問題もある。それは「一、」が続く場合。これだと全体が1字下げのよになってしまって、引用文2字下げの原則に反することになる。