No.673(2011.02)

【だんだん定価が高くなる】

 今回、第5回配本を迎えた『浅井了意全集』は、初回配本「仮名草子編1」2007年8月に、発行部数500部(15000円)でスタートした。そのご、「仏書編1・2」の第3回配本まで500部(18800円)、第4回配本「仏書3」で400部に減らし、今回の「仮名2」で350部まで減らした。昨年末時点での実売数は、各巻140〜210部。初回配本から3年以上たって、この実売部数である。これでは採算がとれない。これでは刊行を続けられない。
 それでも刊行しなければならないとすると、どうすればいいのか。単純な話、実売部数に見合った発行部数にすること、それで採算がとれるような定価にすること。結果として、今回の「仮名草子編2」は、発行部数350部、定価18800円にした。ページ数は、466頁。
 ちなみに、内容的にかぶる『仮名草子集成』(東京堂出版)の最新刊46巻は、374頁で18000円。これは、明らかに 定期配本部数が固まってしまったので、それで採算がとれるような定価設定である。岩田書院は、まだ、はかない?望みを持っているので、そこまでの定価設定が出来ないでいる。ただ、それだけの違いです。
 定価を上げる前に、もっと販売努力をしろよ、と言われるかも知れない。確かにおっしゃるとおりです。でも、岩田書院も他にたくさんの本も出してるわけで、それをほったらかして、この本のことだけやるわけには、いかんでしょ。出来る範囲でやって、この結果なんですから。そこからどうするかを考えないとね。
 でも、これって、買ってくれる人に負担を強いる構造なんですよね。これって、受益者負担というのか?。そうじゃない気がする。でも、こうして買い支えてくれないと、出版事業が成り立たなくなってきている。
 だから岩田書院は、実情を示して、読者の理解(同情?)を得ようとしているのです。理解してくれたら、次の行動は…。さあ、どうする?。買うしかないですよね。(笑)