No.662 (2010.11)

【覆刻は覆刻に徹して】

 10月に、宮本袈裟雄『里修験の研究』を覆刻した。最近の覆刻(または復刊)では、新たに解説などの付加価値を付けて刊行する場合が多い。そうしたほうが旧版を持ってる人も買ってくれるから、という意図もある。が、岩田書院ではそれをせずに、覆刻に徹した。なぜか…。
 今回は、覆刻と同時に続編も刊行する。旧版の解題は、この続編の解題に併せて執筆してもらった。そうすれば、旧版を持ってる人は、覆刻版を買わないですむから(と、出版する側が書いていていいのか、という問題はあるが…)。
 そうやって、読者の立場にたって本を作っているのだから、買うほうも、出版社の立場を判って本を買ってほしいと思ってます。