No.573(2009.9)

【なんと11年】

 今回、刊行した『餅なし正月…』の初校ゲラは、1998年に出している。なんと、刊行までに11年。当時、幼稚園に行っていた我が家の下の娘が、もう高校生になってます。
 そのころの岩田書院は、創立4年目、新刊点数も、月に2冊ペースになってきた時期です。まだ、そのころは本が売れていた時代。だからこそ 民俗学系で460ページの本が作れた。でも、10年たったら、状況は変わってしまっている。いまごろ作っても、著者はすでに亡くなってしまっているし、売れないよ〜。どうしてくれる…。
 こうなると、なんとか原価だけは回収したい、ただそれだけです。
 しかも、この秋は、このほかに、野本寛一著作集、都市民俗基本論文集、植木行宣芸能文化史論集、森弘子論集と、1万円を超える民俗系の本が続く。どうなることやら。
 そういえば、野本著作集は第1回配本から5年ぶりだし、都市民俗論集は企画から10年ちかくたってやっと本になるし、この他にも、原稿入れてから10年以上たった史料集がやっと出そうだし、なにやら「身辺整理」をしているような…。