No.424(2006.5)

本の内容表示は正確に】

吉川弘文館から最近刊行された辞典の話。@『戦国人名辞典』、これは 全編新稿である。A『日本近世人名辞典』、これは 同社の『国史大辞典』の近世人名項目をもとに新しい項目を加えてつくった辞典。B『精選日本民俗辞典』、これは 同社刊の『日本民俗大辞典』から項目を「精選」したもの。「精選」とは 一般的な使い方もあるので、親本から精選したとは限らないのですよ(なお『日本民俗大辞典』は全編新稿)。
 しかし、このことを 吉川弘文館は、宣伝の際に書かないのである(さすがに辞典の凡例には書いてあるが)。これって、まずいんじゃないでしょうか ねえ。せっかくの新稿の辞典までも、焼き直しかと思われてしまうのに…。
 念のために…。私は、なにも辞典を再編集することが悪いと言ってるわけではないんですよ。2次利用、3次利用、おおいに結構、とさえ思ってます。でも、それをきちんと告知しろよ、ということです。製品の「成分表示」を広告できちんとする責任がメーカーにはある、ということですね。
 いちおう言っておきますね。私、国史大辞典も、日本民俗大辞典も、戦国人名辞典も、みんな買ってます。でも、A近世とB精選は、買ってません。